もしかして、今の職場ってブラック?!~ブラックなSES企業の見極め方~
今、SES企業で働いていてお悩みではありませんか?
「もしかしたら、私の働いているところってブラックかもしれない…」と思っている方向けに、
今回はSESのブラック企業の特徴と、転職時に見るべきポイントを紹介いたします。
転職のきっかけや就職活動などにお役立てください!
SES企業でITエンジニアとして働くメリット
ずっとモヤモヤした気持ちで働いていると、ふとした瞬間に「あれ?この仕事を続けるメリットって何だっけ…」と思うことはありませんか?
まずは初心に戻ってSESで働くメリットから見ていきましょう!
- エンジニアの仕事で比較的残業が少ない
- 自分の働き方やスキルに合わせて案件を選べる
- 正社員として雇用されるので安心
- スキルや経験年数が報酬という形で評価されやすい
- 色んな案件にアサインされるため、幅広いスキルが習得できる
本来、SESエンジニアは成果物の納品ではなく、技術提供という形で報酬を貰っているため、他のSIerや受託開発のエンジニアに比べると、残業や休日出勤が少ない傾向にあります。
特に、自分の働き方やスキル、やりたいことに合わせて案件を選べるというのもSESの魅力です。
また、SESエンジニアは派遣やフリーランスではなく、基本的にはSES企業に正社員として雇用されるため、フリーランスに比べると給与も安定して得られるというのも特徴の一つです。
というのが、本来SESエンジニアとして働くメリットなのですが、ブラックなSES企業に勤めてしまうと、このメリットも「たちまちデメリットだらけに早変わり…」というわけで、SESブラック企業の特徴をご紹介いたします。
この特徴に当てはまったら要注意!【SESブラック企業チェックリスト】
ブラックになってしまうSES企業の裏には、より多くのエンジニアを雇用することで利益を得るSESの仕組みが関係しています。
人を呼び込むために、無理のある高還元を提示したり、その無理な高還元のために怪しい還元率の計算方法で人件費などを浮かせたり、目先の利益のためにエンジニアを使い捨てにするなどが見られます。
まずはSESの仕組みを理解することが重要です。
また、好条件についても働くエンジニア側にメリットがあることは勿論ですが、SES企業側にはその好条件を実現するのに無理をしていないか、という部分についても考えてみましょう。
好条件のホワイトな所に勤められても、SES企業側に無理のある好条件では、後々の事業継続が難しくなり、折角勤めたのに…というケースなどもあります。
その点も踏まえてチェックリストを見ていきましょう。
還元率の計算方法が「おかしい・曖昧」
一般的にSES業界の還元率の平均は約50%~60%と言われており、高還元のところだと70%を超えています。
ですが、中には高還元70%以上と言いつつも、蓋を開けてみれば、本来企業側が持つべき人件費などを含めて70%以上と謳っているところがあります。
還元率に人件費を含めるとは、どういうことなのかを「一般的な計算方法」と「怪しい計算方法」を見比べていきましょう。
- 一般的な計算方法:案件単価 × 還元率( 固定給+還元分 )= 総支給額
- あやしい計算方法:案件単価 × 還元率( 固定給+( 還元分 - 人件費 ) )= 総支給額
例えば、エンジニアへの「還元率が80%」で、1人月50万円の案件とします。
そして、雇用契約時に定めた基本給(固定給)が30万円のエンジニアの場合で見ていきましょう。
一般的な還元率の計算方法の場合
案件単価が1人月50万円で、還元率が80%なので、約40万がエンジニアへの総支給額となり、残りの20%である10万円がSES企業側の利益となります。
ただ、エンジニア1人を雇うには、人件費というものがかかるということを頭に入れておいてください。
この人件費は、会社側が負担するもので、一般的には会社側が事業で得た利益分で人件費などの経費を賄います。
つまり、上記の還元率だと、例えば1人のエンジニアに対し、かかる人件費が6万円だとすると、会社側の利益は実質4万円になるということです。
この場合、SESの仕組み上、案件単価が100万円とかなら20万円が入ってくることになるので、事業としてある程度は成り立つとは思いますが、案件単価が今回のように低いと、事業として成立させるには無理のある条件になってきます。
ブラックな還元率の計算方法の場合
案件単価が1人月50万円で、還元率が80%なので、約40万がエンジニアへの総支給額になるはずですが…
還元分の10万円から「人件費」が引かれ、総支給額は34万円になってしまっています。
そして、SES企業側の利益は変わらず、残りの20%である10万円のまま…
人件費は、エンジニア1人を雇うために必要な本来SES企業側が負担すべき費用です。
この人件費には「会社が負担すべき社会保険料」だったり「交通費」「福利厚生費」「研修・セミナー費」などを含んでいることがあります。
案件単価が低い場合、このようにしてSES企業側はなるべく人件費を浮かせて利益を出そうとするので、「人件費」部分を経費などと、曖昧な表現をしたり、計算式を誤魔化したりなどをしています。
こうして、案件単価に見合わない無理のある好条件の提示により、ブラックなSES企業が生まれてしまうのです。
今一度、自分が所属しているSES企業の還元率と計算式を見直してみることをおすすめします。
「正社員」雇用じゃない
実はSES企業に勤めるエンジニアの雇用形態はさまざまで「正社員」以外にもあるのはご存知でしょうか?
- SES企業の「正社員」
- SES企業の「契約社員」
- SES企業に登録をしている「フリーランス」
- SES企業に登録をしている「個人事業主」
- SES企業に派遣されている「派遣(無期雇用・登録型)」
働き方は人それぞれですが、「正社員」で「安定した給与」を貰えることを前提にしている方や、本当はそっちの働き方が良いと思っている人にとっては正社員以外はデメリットです。
また、本人の希望以外で「正社員」以外の雇用契約で採用する場合、エンジニアを使い捨てにするブラック企業の可能性があります。
待期期間が「休業扱い」
SES企業に入社して直ぐの案件が決まるまでの間いや、案件の入れ替わりのタイミングで発生する「待期期間」ですが、「社内待機」と「自宅待機」の2種類があります。
中でも「自宅待機」を「休業扱い」にしているSES企業はブラックな可能性が高いです。
その理由を解説していきます。
- 休業期間中、SES企業側は「固定給の60%以上の休業手当」を支払えばOK
- つまり、給与(固定給)を満額貰えない
本来であれば、「社内待機」であろうが「自宅待機」であろうが、勤務中なので少なくとも固定給は満額貰えるのが一般的ですが、ブラックなSES企業は「休業扱い」にすることで、給与を固定給の60%支払えば、法律上問題ないということにしてしまうんです。
なので、例えば「固定給が30万」だった場合は「休業期間中は18万円」しかもらえないということになります。
案件に入っていない待期期間中、案件報酬が貰えないのは当然ですが、固定給が満額貰えないとなると話は変わってきますよね。
また、案件が中々決まらない場合、本来貰えるはずだった額より低い賃金で勤めていることになるので、生活にも支障を来すでしょう。
待機期間を休業扱いにするSES企業はブラックな場合がほとんどなので、転職することをおすすめします。
残業や休日出勤が「多い」
SESは基本的に下流工程の仕事が多いという理由や、契約上「成果物の納品」ではなく、あくまでも「技術提供」で報酬を得るため、残業が多いと言われているエンジニアの仕事の中でも比較的残業が少ない傾向にあります。
ですが中には、SESなのに残業が多いと感じる企業もあるでしょう。
それには以下のような理由があります。
- 稼働日によって残業時間が変動する場合
- クライアントから厳しい納期を設定される場合
- ITエンジニアの人材が不足している場合
- クライアント企業側が「残業が当たり前」という風潮の場合
どの場合にしても、SESは基本的に残業などの命令指揮権を持っているのはSES企業側です。
なので、クライアント企業側から直接「残業を命じられる場合は違法行為」なので、SES企業側に報告を行いましょう。
報告しても対応してくれない場合は、所属のSES企業がブラックな可能性が高いです。
速やかに労働基準監督署や弁護士に相談をしましょう。
案件が「自分で選べない」
SESで案件が選べないとなると、自分が望んでいないところに派遣されることになってしまいます。
また、やりたいことが出来なくなるだけでなく、スキルに見合わないところへ派遣させられたり、想定額の案件報酬が得られない場合などもあります。
ですが、案件が選べないSES企業には2パターンの可能性があるため、一概にブラックとは言い切れません。
- 可能性①:SESの営業が弱く、選べるだけの案件数を獲得できいない場合
- 可能性②:目先の利益に惑わされ、エンジニアを使い捨てにしている場合
前者の場合は、中小のSES企業やベンチャー、スタートアップ企業のSESに多いです。
まだまだSESの営業が弱く、エンジニアに案件を選んで貰えるだけの余力がない場合なので、一概にブラックとは言い難いです。
ですが、後者の場合はもう考える余地なくブラックです。
SESはその仕組み上、エンジニアを案件に派遣させればさせるほど、SES企業側の利益になります。
そのため、エンジニアに案件を選ばせるよりも、受かりそうなところに手当たり次第、エンジニアの意見も聞かずに当てがった方がSES企業側はより利益に繋がるので、そうしている場合が多いです。
前者と後者で随分エンジニアの扱われ方が変わってくるので、SES営業の方の口ぶりや会社の方針、社内の雰囲気、同僚の方の意見などを聞いてみたりなど、きちんと見極めてから転職の検討することをおすすめします。
SES企業に勤めたのに「エンジニアとは関係のない仕事」をしている
SES企業に入社したけど、仕事をしてみると「あれ…?これってエンジニアと全く関係ない仕事なんじゃ…これって普通なの?」と感じている方はいませんか?
結論から言うと、普通ではありません。
SES企業でSESエンジニアとして勤めているのに「エンジニアとは関係のない仕事」をしている場合は、悪質なブラックSES企業の可能性があります。
以下のパターンで見ていきましょう。
パターン①:研修からそのまま業務へ
これはよくあるパターンで、入社後直ぐに「研修」という名目でコールセンターや家電量販店、携帯ショップに派遣されます。
その後、研修期間が終了しても「案件が見つからない」という理由でそのまま継続して、エンジニアとは関係のないコールセンターや家電量販店、携帯ショップなどで勤め続けることに…
パターン②:研修ではプログラミングの学習!でも入社後は…
このパターンはかなり悪質で、研修ではプログラミングの学習をさせてくれるのですが、いざ研修期間が終了し、エンジニアデビューと思った矢先「あなたは未経験なので案件がなかなか決まらない」という理由で、コールセンターや家電量販店、携帯ショップなどに派遣されます。
その後、プライベートな時間などでプログラミングの研修などを行い、一応エンジニアっぽいことをしている感を演出しながら、実質エンジニアとは関係のない仕事をさせられ続けます。
パターン①も②も、エンジニアと無関係の仕事をしているので、エンジニアとしてのスキルや技術は身に付きません。
このように、SES企業に入社してエンジニアとは無関係な仕事をしている場合は、すぐにでも他のSES企業に転職を検討した方が良いです。
長くいればいるほど、精神的にもすり減って来るのもそうですが、エンジニアとしてのスキルが身に付かない以上、エンジニアとしての再就職も難しくなってきます。
今、働いているSES企業でお悩みなら、
現役エンジニア社長と一緒にエンジニアファーストの会社で働いてみませんか?
経歴詐称を「強要される」
SESでの経歴詐称は、案件の契約件数や単価を上げ、SES企業側の利益を出す目的で行われることが多いです。
つまりは、リスクを承知の上でSES企業は目先の利益を目的に経歴の詐称をエンジニアに強要しているんです。
ちなみに経歴詐称は「私文書偽造罪」「詐欺罪」「軽犯罪法違反」に該当し、損害賠償請求や逮捕、場合によっては罪を問われたりする可能性があります。
なので、そんな経歴詐称を強要してくるような、ブラックSES企業に勤めている場合にはすぐにでも辞めることをおすすめします。
転職時のブラック企業の見極めポイント
面接前に求人や企業のホームページから確認ができるブラックなSES企業の見極め方をご紹介します。
①具体性のない「募集要項」
募集要項というのは、一般的に労働条件や業務内容、福利厚生など、企業の具体的な情報やアピールポイントなどが記載されているものです。
そこに仕事内容が曖昧だったり、ざっくりとした記載など、具体性がない場合などは要注意です。
エンジニアとは関係のない仕事をさせられたりするなどの場合が考えられます。
②開示されている会社情報が少ない
会社情報は募集要項に記載されている場合もありますが、会社のホームページがあるのが一般的です。
最低限「従業員数」「設立日」「拠点」「事業内容」などの情報がきちんと記載されているか、また求人媒体に載っている情報とホームページ情報が合致しているかを確認しましょう。
求人情報やホームページ、口コミサイトにすら情報がない場合、そもそもやっている事業がSESなのかも怪しいので要注意です。
③未経験者を「大量採用」している
未経験の若手を大量に募集したり、大量に採用するということは「従業員がやめる前提」で採用を行っている可能性があります。
従業員が辞めるということは、それだけ労働環境が悪い可能性が高いということですので、注意しましょう。
また未経験者を大量採用していて、高収入や高還元などを謳っている場合はかなりの高確率でブラックな可能性が高いです。
案件の単価は、エンジニアのスキルや経験年数によって左右されるので、未経験だと単価が低く、ベテランエンジニアになればなるほど、単価が上がっていくシステムです。
にもかかわらず、未経験の方の案件単価が低いと知りながらも、高還元の好条件を企業側が提示している場合、前述でもお話した通り、SES企業側に利益がほとんどなく、なるべく多く利益を出そうと人件費をエンジニアの給与から引いているブラックSES企業が多いのでご注意ください。
④社員の平均年齢が「20代」
今務めているSES企業の社員の平均年齢が「20代」の場合、30代~50代の案件単価の高いベテランエンジニアではなく、案件単価の安い未経験の若手などをより多く採用している可能性が高いです。
この場合、上記で紹介した「エンジニアとは関係の仕事」をさせられているケースや、案件が選べない、人件費を給与から引かれたり、待期期間の名目で休業扱いにされたりと、まともな報酬が貰えていない可能性が考えられます。
SES転職で気にした方が良いポイント
ブラックなSES企業のポイントを前述で紹介しましたが、ブラック以外にも、SES企業への転職の際に気にした方が良いポイントをご紹介します。
ポイント①:交通費の支給
実は、交通費は「法定福利」には含まれないので企業側が「交通費を出さない」と言った場合でも、違法ではありません。
そのため、下記のように交通費の支給有無は企業によって様々です。
- 交通費を支給しない
- 片道料金だけ支給
- 交通費を還元率に含める
- 交通費に上限がある(例:1カ月5,000円まで、超えると自腹)
ここでポイントになって来るのが、SES仕事は「客先常駐」だということです。
客先常駐ということは、リモートワークができる案件とかではない限りは、自宅からクライアント先の会社へ通勤することになります。
場合によっては、少し遠いところに派遣される場合もあるでしょう。
リモート案件を選ぶという手もありますが、リモート案件ではなった場合、交通費が貰えないのは労働者として痛いですよね。
しかも、SESは客先常駐なので、営業で言うところの顧客訪問の際の交通費が自腹になるというのと同じというわけです。
なので、交通費を出さないSES企業は一概にブラックとは言い切れませんが、SESで働く社員を大切に思っている・長く働いてほしいと思っている企業は交通費をきちんと出してくれるところが多いです。
転職先選びの際には、交通費の支給についても見て置くと良いでしょう。
交通費支給
●全額支給:実際にかかった交通費を全額支給
ポイント②:資格取得支援制度
SESは自分のスキルや技術力が給与に直結します。
そのため、資格を取得することで案件の単価が上がったりします。
資格取得支援制度は、資格を取得した場合にかかった受験費用を負担したり、会社指定の資格を取得した場合にお祝い金として資格手当を支給する制度です。
あると、取得のモチベーションにも繋がりますし、会社全体の向上にも繋がるので、社員のことを考えてくれているSES企業は導入していることが多いです。
●資格取得支援:資格取得の受験費用負担します。。
●資格取得手当:当社該当の資格を取得した場合、資格取得手当を支給します。
引用:SE(システムエンジニア)中途採用 | 株式会社ウェブジェネレーションズ
ポイント③:年金資産運用制度
ここで紹介する年金資産運用制度は、所謂「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と呼ばれるものです。
種類は様々ですが、毎月掛け金を給与から拠出することで、老後に備えて資金を運用し、資産を増やすことができ、また減税の効果もあります。
そんな企業DCですが、この制度で見るべきポイントは「掛け金」です。
毎月の給与から掛け金を拠出するということは、今すぐ手元にできるだけ多く給与がほしいという方には損に感じるかもしれません。
なので、転職先に選ぶなら、企業側が毎月の最低掛け金である5,000円を社員に支給し、社員が自由に掛け金を出すか出さないかを選択させてくれるSES企業がおすすめです。
札幌でSESエンジニアするなら!エンジニア社長のいるエンジニアファーストの会社で働きませんか?
今、ブラック企業にお勤めのエンジニアの方へ
ウェブジェネレーションズでは、現役エンジニア社長の苦労と失敗の経験から、エンジニアファーストな働き方に特に力を入れています。
現在ある福利厚生以外にも、社員の「こういう福利厚生がほしい!」という声からこれから実装を検討している福利厚生などもあります。
常に現場で社員と同じ舞台に立っている社長だからこそ、社員との距離が近く、社員の発信した意見が通りやすい比較的風通しの良い環境です。
月に1度くらいのペースで開催している「帰社日」では、社長含めた社員みんなでお弁当を食べながら福利厚生について意見を出したり、お酒を飲みながらこんな仕事がしたいなどの話をしたり、自然豊かな所でバーベキューなどをしています。
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